
野辺山宇宙電波観測所と宇宙ビジネス
先日、天文学者や投資家達と一緒に野辺山電波観測所の視察に行ってきました。目的は勿論民間ビジネスとしてどう使えるか?です。
視察は、3月中旬でしたが、生憎の雪模様。天文学者と一緒に観測する予定だったのですが、この日の観測は残念ながら中止です。しかし、所長の案内で普段見学できないエリアも見学し、意見交換もできたため、とても有意義な視察となりました。
皆さん、野辺山宇宙電波観測所のこと、どの位ご存じですかね?
長野県南牧村の高原に位置する野辺山宇宙電波観測所は、世界で2番目に大きい45m電波望遠鏡を擁し、ブラックホールの証拠発見など、電波天文学の最前線を走る研究拠点なのです。標高約1,350m、晴天率が高く、周囲の山々が人工電波を遮るため、宇宙からの微弱な電波を捉えるのに最適な環境。その成果は国際的にも評価され、日本の電波天文学の「聖地」と称されています。ちなみに、チリには国際協力で造られたアルマ望遠鏡、宇宙にはNASAが中心となり開発されたジェームスウェッブ宇宙望遠鏡がありますが、それぞれ「持ち場」があるらしく、開始してから40年以上たちますが、今でもバリバリ現役の望遠鏡なのです。しかし、近年は老朽化も進み、利用率は減ってきているとのこと、そこで民間利用できないかと相談を受けたのですね。利用率が上がれば、その売り上げで古い観測装置をUpdateし、様々な観測が進むとのことです。
望遠鏡は時間単位で借りることができ、利用料もさほど高くない。つまり、お金を出せば自由に好きなエリアを観測できます。これって、すごいことですよね?さらに、観測データは、民間ビジネスにも活用可能。観測所の写真や映像は商用利用が可能で、宇宙関連の商品開発や観光PR、教育コンテンツ制作など、多様なビジネス展開に活用できそうです。これはアイデア次第で可能性がどんどん広がりますね。
また、観測所は、今年の4月から始まる、劇場版名探偵コナン「隻眼の残像(せきがんのフラッシュバック)」の舞台にもなり、地元でも聖地巡礼など期待が高いとのこと。皆さんもこの機会に一度訪れてみてはいかがでしょうか?
野辺山宇宙電波観測所の詳細はこちらから。