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核融合をイメージした、赤くエネルギッシュな爆発の様な画像。

宇宙における原子力・核融合

長年日本の宇宙業界では、原子力や核融合に関する議論はタブーとされていました。世界で唯一原爆が使われた国であり、近年では福島第一・第二原発の事故の影響もあります。国民感情としてアレルギーが強いのです。しかし、これからは月や火星に人を送る時代。世界に目を向けると各国は着々と開発を進め、深宇宙探査にはなくてはならない技術となっています。
世界的には、月開発では月面電源、火星探査では原子力ロケットの研究開発がトレンドとなっています。

海外では、米国、ロシア、中国が積極的に開発を進めています。
米国は1990年代にヘリウム3を利用した核融合発電に関する構想を発表。2020年代に入りNASAによる宇宙核融合発電プロジェクトが立ち上がり、着々と研究が進んでいます。
ロシアと中国は、共同で月面原発装置の設置を2033年から開始するとの発表があります。
また、中国は月面探査機「嫦娥5号」が持ち帰った月面サンプルから、簡単にヘリウム3が抽出できることを発表。これは、地上でも中性子を発生しないクリーンな核融合に利用できる重要な資源となります。

昨年度、宇宙基本計画が改訂されましたが、これら今までタブーとされていた議論がしやすくなったと聞いています。ここには当社が参画するニュースペース国際戦略研究所からの政府提言も大きいようです。
しかし、「安全性の問題」、「放射性廃棄物の処置」、「廃炉の問題」、「社会的・政治的な課題」、そして「宇宙法的な課題」もあり、解決しなければならない課題は山積みです。原子力発電装置を搭載した人工衛星が軌道上で他の衛星に衝突し、他国に墜落して被爆したらどうなるんでしょうか?このような法律の宇宙法の整理も非常に重要です。

そろそろ日本でもこのような課題についてもしっかり議論しなければならない時期に来ているようです。