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佐渡の夕日

離島と宇宙産業

今年世界遺産に認定された佐渡ヶ島を視察し、自治体・有識者と打ち合わせを行ってきました。視察の主な目的は以下の3つになります。
①宇宙ビジネスの可能
②上越市との連携
③35年振りの佐渡がどう変わっているか?

今回は①について書きたいと思います。
佐渡ヶ島は、日本海に浮かぶ離島ということで、冬には(特に1-2月)海が極端に荒れ、船の往来は難しい時期となります。また、先日の能登地震でも1.5mの津波が来たとされており、能登と佐渡ヶ島の間にある活断層は「半割れ」の状態、近い将来再び地震が起こるとも言われています。また、真北には北朝鮮やロシアがあり、安全保障上も重要なエリア。現在使われていない佐渡空港も将来の「街づくり」としては重要なポイントになるでしょう。

このような状況の中、打合せで出てきたポイントとしては、
(1)スマート農業の推進
現在、スマート農業の社会実装が進みつつあります。ここに衛星データを用いた、生育診断や未耕作地の判定などが適用できそうです。
データ解析を行うIT企業も出てくる可能性があります。
(2)宇宙向け部品製造など
尖った技術を持ち、それを武器にロケットや人工衛星部品を製造している企業があります。先日、上越市のセミナーでも、宇宙に関わる企業が数社出てきましたが、現在調査している新潟市も含めると「越後宇宙産業クラスター」の芽が出つつあるなと感じています。
(3)佐渡空港の活用
現在、就航がない空港ではありますが、そこをメリットと考え、宇宙港の機能を持たせる可能性があると考えています。ロケットの打ち上げは難しいとは思いますが、宇宙港はそれだけではありません。なお、佐渡空港は、県営のため、県との話し合いが重要となります。
(4)災害対応
これからインバウンドも進む中、発災時の対応は宇宙だけではなく、様々なDX(デジタルトランスフォーメーション)との融合が不可欠です。集落が点在し、特に冬場は天候が悪い日が多くなるため、雲の下の状況がわかるSAR(レーダー)衛星データが活躍しそうです。
(5)安全保障
佐渡ヶ島は安全保障上も重要なエリアとなりますが、ここは国や県レベルで対応する必要があります。上記(3)(4)が安全保障上も有効な手段となりますので、併せて話を進めていく必要があります。

対話をして思ったことは、離島だからこそ適切に宇宙の技術を使い進めていかなければならないこと。そしてそこには宇宙産業が必ず関わってくるということです。特に、地方では「宇宙=サイエンス」というイベントは多いのですが、宇宙産業が今どうなっているのか?宇宙をどう利用できるのか?という観点での情報が圧倒的に少ないと思っています。
宇宙インフラを使い倒す。そこに離島での宇宙産業の鍵があるのです。